バイエルンとマンチェスター・シティのにらみ合い。識者3人に聞く「今季のCLを制するのはどこか?」 (2ページ目)

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シティに優勝の準備が整った

中山 淳(サッカージャーナリスト)

<優勝予想>
◎マンチェスター・シティ 
○バイエルン 
▲パリ・サンジェルマン

 マンチェスター・シティを率いて6年目になるジョゼップ・グアルディオラ監督にとって、今季は絶好のチャンスと言える。昨季はベスト8の壁をついに破って初の決勝進出。悲願達成を目前にチェルシーにタイトルを奪われたが、今季はその経験値がプラスに作用するはず。

 しかも、今季はジャック・グリーリッシュ以外の補強を行なわず、ほぼ現有戦力をベースに成熟度を高めることに成功。グループステージ最終節はメンバーを落としてライプツィヒに足元をすくわれたが、パリ・サンジェルマンに敗れた以外はほぼ完璧な戦いぶりで首位通過を果たした。

 戦力面でも、この冬にフェラン・トーレスをバルセロナに放出したが、フィル・フォーデンやベルナルド・シウバの偽9番起用など攻撃の選択肢は豊富ゆえ、そこに問題は感じさせない。国内リーグでも隙がなく、序盤から首位を堅持するなど安定感も抜群。抱える戦力といい、チームの完成度といい、初優勝を狙うだけの材料はすべて揃った状態にある。

 そのシティと同レベルの安定感を誇るのが、グループステージ6戦全勝で首位通過を果たしたバイエルンだ。当初不安視された気鋭の指揮官ユリアン・ナーゲルスマンの手綱さばきも上々で、見事にベテランと若手のベストミックスを実現させた。

 最大の強みは、ロベルト・レバンドフスキというスランプのないゴールマシンを擁する点。アルフォンソ・デイビス、レロイ・サネ、キングスレイ・コマン、セルジュ・ニャブリなどサイドを切り裂く駒も豊富で、百戦錬磨のトーマス・ミュラーも好調を維持している。優勝に必要なチームとしての経験値も申し分ない。

 ダークホースは、随一のタレント軍団パリ・サンジェルマンだ。最大のカギは、まだわずかしか実現していないメッシ、ネイマール、エムバペのトリオのコンビネーションがブラッシュアップされるかどうか。もし3人に阿吽の呼吸が生まれれば、前線はそれこそ無限の可能性が出てくる。

 故障がちなセルヒオ・ラモスの調子が上がれば、守備力もアップするはず。とにかく、主力のコンディション次第で大化けする可能性を秘めたチームだ。

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