堂安律「一度は構想外」から復活。衝撃のヒールキックでオランダ人の度肝を抜いた (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

【堂安は流暢な英語でメディア対応】

 さらに70分には、堂安がまたしてもヒールキックからDFフィリップ・ムウェネのゴールをアシスト。「ヒールの堂安」の印象をさらにオランダで強めた。『アルヘメーン・ダッハブラット』紙は2週連続、専門誌『フットボール・インターナショナル』も堂安をベストイレブンに選出した。

 ユトレヒト戦では「Aチーム」の右WGを務めていたノニ・マドゥエケも復帰し、74分からプレーした。翌日の『ストゥディオ・フットボール』では、ファン・ホーイドンクが「さて、今のPSVはガクポとマドゥエケを使うのがベストのチームか」と話題を切り出した。かつての名レフティMFテオ・ヤンセンは「いいや、違う」とファン・ホーイドンクに反対した。

「今、堂安は旬のプレーヤー。フローニンゲンで活躍したものの、PSVに入った当初はうまくいかなかった。そして今、堂安はかつてのレベルを取り戻した。ライン間のプレー、スルーパス、何よりもゴール」(ヤンセン)

「すばらしいヒールキック」(ファン・ホーイドンク)

「すばらしいヒールキック(笑)。彼は本当にいい選手だ」(ヤンセン)

 そして、すばらしい英語。昨季在籍したビーレフェルト時代から、堂安は流暢な英語でメディア対応をしている。

 PSVとアヤックスは試合後のミックスゾーンを設けず、監督や選手の話は記者会見で聞くしかない。ヘーレンフェーン戦後、堂安は選手を代表して記者会見に出た。堂々とした姿勢、よどみない流れ、豊富な言い回しで、ヘーレンフェーン戦のことやPSVに残った理由、マドゥエケとのライバル関係を堂安は答えた。

「僕はブンデスリーガでいい思い出がありました。監督とはオリンピックから帰ってきて、本当にオープンな話し合いをしました。あの話し合いはとても重要でした。彼(マドゥエケ)はドリブラー、僕はコンビネーションを得意とする選手で、タイプが違います。僕は自身にフォーカスするだけです」

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