イングランド代表は育成改革で20歳前後の選手が台頭。カタールW杯へ向け絶賛リノベ中 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 こうした改革のおかげでイングランドの若い選手たちはめきめきと力をつけてきた。2017年にはU-17W杯、U-19ヨーロッパ選手権、U-20W杯の3つのユース大会で優勝を果たしている。

 そして今、その年代の優秀な選手たちがA代表の中心となりつつある。ロシアW杯でベスト4を勝ち取ったチームは平均年齢26歳。今年のユーロにおいては25歳2カ月と、参加国で一番若かった。

 もちろん、経験のある選手たちもきちんと存在する。チームのキャプテン、ハリー・ケイン(トッテナム)、サブキャプテンのジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)、カイル・ウォーカー、ジャック・グリーリッシュ、ラヒーム・スターリング(いずれもマンチェスター・シティ)、ハリー・マグワイア(マンチェスター・ユナイテッド)、そしてチームに安定を与えるGKのジョーダン・ピックフォード(エバートン)らだ。。

 そして台頭してきた若い選手たち。トレント・アレクサンダー・アーノルド(リバプール)23歳はクラブでも代表でもすでにレギュラーだ。現在24歳のマーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)は18歳の代表デビュー戦で最年少ゴール記録をうちたて、ロシアW杯でもプレーした。

 さらに若い世代もすでにクラブチームでレギュラーとしてプレーし、続々とA代表入りしている。18歳のジュード・べリンガム(ドルトムント)は昨年11月にA代表にデビュー。この若さですでに10の代表キャップ数を持ち、その早熟さはウェイン・ルーニーと比較される。今はイングランドのビッグクラブが彼の獲得を巡って火花を散らしている。

 フィル・フォーデン(21歳)はすでにマンチェスター・シティになくてはならない存在で、ジョゼップ・グアルディオラの信頼も厚い。チェルシーの攻撃的MFメイソン・マウントも22歳ながらすでに多くの試合にレギュラーとして出ている。アーセナルの20歳、ブカヨ・サカは、ユーロ決勝のPK戦で最後のキッカーという大役を託された。監督の期待と信頼が厚い証拠だ。

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