2021.12.01

なぜメッシがバロンドールを獲得できたのか。レバンドフスキにはなかったものと「世界最高選手」のイメージの差

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 11月29日、パリ。アルゼンチン代表でパリ・サンジェルマン(PSG)に所属するFWリオネル・メッシ(34歳)が、『フランスフットボール』誌が選定するバロンドール(世界年間最優秀選手賞)に輝いている。史上最多の7度目の受賞となる。

 言ってみれば常連のメッシだが、今回は本命が別にいた。

 ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)は今年、ゴールマシンぶりを見せている。昨シーズンのブンデスリーガ得点王で、41得点を記録。今シーズンも国内でゴールを量産しているだけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)でもメッシが去ったバルサを粉砕するなど大暴れ。しかし、投票では2位で、580ポイントとメッシに33ポイント及ばなかった。

「ロベルト(レバンドフスキ)に言いたいのは、『君と競えて誇りに思う』ということだ。昨年(コロナ禍でバロンドールは中止)だったら、君がバロンドールを受賞し、誰もが納得していただろう。『フランスフットボール』は彼にバロンドールを与えるべきだ」

 メッシ自身、受賞スピーチでレバンドフスキに気遣いを見せたほどだった。では、なぜ今回もメッシがバロンドールを受賞したのか。

 バロンドールに選ばれたリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)バロンドールに選ばれたリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン) この記事に関連する写真を見る 本命と言われたレバンドフスキと比較しながら、メッシの2021年を振り返る。

 昨シーズン、バルサに在籍していたメッシは30得点を記録し、リーガ・エスパニョーラ得点王に輝いている。欧州五大リーグで30点以上をあげたのは2人だけ(もうひとりがレバンドフスキ)。トップレベルのプレーを見せたことは事実だが、レバンドフスキには及ばないし(リーグが違い、単純な比較はできないが)、過去には50得点をとったことを考えると物足りない数字だ。

 チームタイトルのほうでは、メッシはスペイン国王杯で優勝したが、CL、リーガはともに逃した。一方、レバンドフスキはブンデスでは優勝するが、CLは逃している。この点、2人はほぼ変わらないか。

 今シーズンに入ると、メッシは新天地PSGで、CLでは4試合3得点で最低限の仕事はしているものの、期待された活躍には程遠い。ケガや新チームへの適応など、理由もあるのだろう。