エムバペもイチオシする有望株が続々。育成大国フランスが生んだ「金の卵」5選 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 今年8月にはディディエ・デシャン監督率いるフランス代表に初招集され、9月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で代表デビュー。10月にはネーションズリーグ決勝で先発フル出場を果たし、初優勝の原動力にもなったことは記憶に新しい。

 身長187cmの大型ボランチには、現在レアル・マドリードやマンチェスター・シティをはじめ複数のビッグクラブが触手を伸ばし、その移籍金は推定6000万ユーロ(約79億円)とも言われている。現在リーグ・アンで最も株価を上げているチュアメニが次にステップを踏むクラブはどこになるのか。今シーズンの活躍ぶりも含めて目が離せない状況だ。

 そのほか、現在特に目立った活躍を見せているフランスの若手選手としては、マルセイユのウィリアン・サリバ(20歳)と、ニースのアミーヌ・グイリ(21歳)が挙げられる。

 少年時代に地元ボンディでキリアン・エムバペの父親から指導を受けたことでも知られるサリバは、初めてリーグ・アンで台頭した2018−2019シーズンを終えると、その実力に目をつけたアーセナルが青田買いを断行。その後はローンでサンテティエンヌとニースで実績を積み上げ、ついに今シーズン、ローンで加入したホルヘ・サンパオリ監督率いるマルセイユで本格的にブレイクを遂げた。

 自慢は持ち前のスピードとフィードセンス。身長も192cmと申し分なく、空中戦でも抜群の強さを誇るサリバは、流動的に選手の立ち位置を変化させるサンパオリ戦術のなかで柔軟性と対応力にも磨きをかけた印象だ。試合ごとにスタメンと布陣を変えるサンパオリ監督からの信頼も厚く、これまでチーム随一のプレータイムを誇っている。

 わかりやすく言えば、マンチェスター・ユナイテッドのフランス代表ラファエル・ヴァランの系譜を継ぐモダンなディフェンダー。おそらく来夏は、保有元のアーセナルとマルセイユの間で激しい綱引きが行なわれるに違いない。

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