プレミアリーグで絶対注目の11人。元日本代表の水沼貴史氏が激推し! (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

ジェームズ・ウォード=プラウズ 
MF/サウサンプトン/イングランド

 ウォード=プラウズは精度の高いキックがあって、FKやCKのセットプレーで、あのデビッド・ベッカム並の活躍ができると取り上げられることが多い選手です。ただ、注目すべきはそこだけではありません。

 サウサンプトンはハイプレスをベースに、かなりハードワークが求められるチームで、ウォード=プラウズは中盤でオリオル・ロメウ(スペイン)とともに相手ボールを刈り取り、そこから前へ出て推進力をもたらす、チームスタイルを象徴する選手です。

 ときにその激しさが裏目に出て、ファールをもらうことも少なくないです。それでも173cmと身体が大きくない選手でもプレミアリーグであれだけ存在感を示せるのは、日本人も見習ってほしいところです。

 ユーロ2020では最終選考で漏れて入れなかったけれど、その後の代表には選出されています。イングランドには中盤に優秀な選手がたくさんいるなかで、ハードワークの象徴のようなウォード=プラウズが選ばれるというのは印象的ですね。

デクラン・ライス 
MF/ウェストハム/イングランド

 ライスはなかなか点が取れる選手ではないけれど、ボランチの位置から前へ出ていくこともできるし、ボールを運ぶこともできる。トマシュ・ソウチェク(チェコ)とともに中盤中央でハードワークしながら攻守に貢献してくれる選手です。

 ウェストハムもサウサンプトン同様にハードワークをベースにしたチームですけど、周りに個の優れた選手がいて、それをボランチの位置でつなげられるライスの存在は重要ですし、注目すると面白いと思います。

 ユーロ2020では、リーズのカルビン・フィリップスとコンビを組んで、非常にバランスのいい中盤を形成していました。前にタレントが多い分、ライスやフィリップスといった3列目の選手たちのバランス感覚は重要でした。躍進したイングランドのなかで、若い才能(22歳)という意味でも注目の存在です。

オリー・ワトキンス 
FW/アストン・ビラ/イングランド

 ワトキンスは一昨季までブレントフォードにいてチャンピオンシップ(2部)で活躍、昨季アストン・ビラにステップアップしてきた選手です。昨季は1トップでグリーリッシュとのよいコンビから、14点を取って一気にブレイクしました。

 今季はサウサンプトンから加入してきたダニー・イングス(イングランド)と2トップを組んでいます。エースだったグリーリッシュが移籍したことで役割も変わり、期待値も大きくなっています。ただ、イングスが入って彼への負担が減り、これまで以上に活躍できるんじゃないかと思っているんですけど、今季ははまだ6試合で1点(第8節終了時点)しか取れていません。

 スピードもあるし、決定力もあって、ペナルティーエリアの近くまで行ったら相手をドリブルでかわしてシュートまで持っていけるスキルもある。イングランド代表としてももっと伸びていってほしいストライカーですし、活躍次第でさらにステップアップが狙えるシーズンになるんじゃないでしょうか。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る