「奇人」がいまや「普通」の戦術へ。現代のGKは足技なしには務まらなくなった (4ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by AFLO

 南米で奇想天外なイギータが暴れているころ、ヨーロッパでも奇想天外な要求をする監督がいたわけだ。不安に駆られたスビサレッタが「こんなに前にいて、もしロングシュートを決められたらどうするのですか」と監督に言うと、「その時は決めた相手に拍手すればいい」と平然と返されたそうだ。

 GKがペナルティーエリアを出て足でボールを扱う――それが当たり前になる未来が来ると予想していた人は少なかった。ただ、30年ほど前にはそれをすでにやっている選手がいて、それを要求する監督もいた。彼らは奇人だったが先駆者でもあった。

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