無敗優勝から18年。冨安加入の名門アーセナルはなぜこんなに弱くなった?
就任3シーズン目を迎えたアーセナルのミケル・アルテタ監督にとって、プレミアリーグ第4節のノリッジ・シティ戦はまさに"崖っぷち"の一戦だった。
今シーズンのアーセナルは、昇格組のブレントフォードと対戦した開幕戦で黒星スタート。チェルシー、マンチェスター・シティと続いた優勝候補との試合でも、いずれも0−2、0−5と完敗を喫してしまい、実に67年ぶりとなるリーグ戦開幕3連敗という最悪のスタートをきっていた。
冨安は名門アーセナルの復活に貢献できるかこの記事に関連する写真を見る 3節を終えての成績は、まさかのリーグ最下位。仮に第4節で19位ノリッジとの下位直接対決を落としてしまうことがあれば、早くもくすぶり始めている自身の進退問題が、いよいよ現実味を帯びてくる。
そういう意味では1−0とはいえ、日本代表DF冨安健洋のデビュー戦でもあったノリッジとの一戦で今シーズン初勝利を収めたことは、チームにとってもアルテタ監督にとっても、単なる勝ち点3ポイント以上の価値があったと言っても過言ではないだろう。
ただし、まだ楽観するのは早計だ。
そもそも昨シーズンのアーセナルは、開幕前のコミュニティシールドこそ手中に収めたものの、ヨーロッパリーグ(EL)で準決勝、FAカップは4回戦、リーグカップも準々決勝で、それぞれ敗退。肝心の国内リーグ戦では2シーズン連続の8位と奮わず、ついに今シーズンはヨーロッパカップの舞台から姿を消すこととなってしまった(昨シーズンはFAカップ王者としてELに出場)。
ちなみに、それ以前にアーセナルがヨーロッパカップに出場できなかったのは、1995−96シーズンのこと。もう四半世紀も前の話である。
今シーズンも下馬評でアーセナルを優勝候補に挙げる専門家は皆無で、もはやトップ6に数えることさえはばかれるようになったのが実情だ。かつてプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドとの2強時代を築いた名門は、なぜここまで凋落してしまったのか。
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