ユーロでマイナーGKが大活躍。今夏の移籍市場で価値が爆上がりしそうな3人 (2ページ目)
その視点に立ってみると、今回のユーロで評価を高めたと思われるGKが意外と多いことに気づく。
たとえば、グループステージ敗退組で奮闘したのは、ペーテル・グラーチ(ハンガリー)、ルーカス・フラデツキー(フィンランド)、マルティン・ドゥブラフカ(スロバキア)、ストレ・ディミトリエフスキ(北マケドニア)の4人。
このなかで「死のグループ」におけるビッグサプライズの主役となったハンガリーの正GKグラーチについては、所属のライプツィヒ(ドイツ)で見せている実力をそのまま発揮した格好なので、それほどの驚きはないだろう。
それは、レバークーゼン(ドイツ)の正GKでもあるフィンランドのフラデツキー、ニューカッスル(イングランド)の守護神ドゥブラフカにも言える。彼らのハイパフォーマンスは、すでに所属クラブでも証明済み。そういう意味では、グラーチ同様、日頃から主要リーグで活躍する彼らは今大会であらためて自分の価値を示したことになる。
その一方で、ラージョ・バジェカーノ(スペイン2部)に所属するディミトリエフスキは、3戦全敗8失点という散々な成績に終わった北マケドニアのなかで、高評価を得た数少ない選手のひとりだった。特に1−2で涙を呑んだウクライナ戦では、PKストップを含めた出色のパフォーマンスを披露。孤軍奮闘の活躍を見せた。
これまで主にスペインの下部リーグで経験を積んできたディミトリエフスキは、現在27歳。30歳をすぎてから脂が乗るとも言われるGKだけに、この夏の移籍市場はステップアップのチャンスが到来するかもしれない。
同じように、決勝トーナメントに勝ち残ったチームの中にも、今夏の移籍マーケットでキャリアアップする可能性を高めたGKがいる。そのひとりが、イタリア、スイス、トルコが同居したグループAで2位通過を果たしたウェールズの守護神ダニー・ウォードだ。
グループステージ3試合で安定したパフォーマンスを披露したウォードだが、なかでも2試合目のトルコ戦は彼の評価を高めた試合。ファインセーブでピンチを救ったほか、随所にクオリティの高いプレーを見せて2−0の勝利に貢献した。
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