岡崎慎司に「3つの後悔」。屈辱の1得点だった今季を振り返る (4ページ目)

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――その後はどんな気持ちで戦いを見つめていたのでしょうか。

 僕はチーム内での自分の立ち位置を、敏感に感じ取ることができたので、そこからシーズン終了までの3カ月間、出場する機会はないんだろうなと思いました。

 またパチェタ監督は、主力組とそれ以外を明確に区別していました。「なんだよそれ」という苦々しい気持ちもありましたが、そんな立場の選手は他にもいたので、やるしかないと。そこでふてくされてしまう選手は負けだと思っているので。

 それでも最後には少なくてもチャンスは来ると思って、残りの10分間でも結果を出そうと思っていました。その後何試合か出場しましたが、そこできっちり結果を残していたら、結末はまた違ったものになっていたかもしれないですね。

――スペイン1部でのシーズン、総括するとどんな思いがありますか。

 僕はシーズンを通して活躍することを、自分の評価基準においています。その意味で、ケガをしてしまったこと、チャンスのあった数試合で決められなかったこと、そしてチームのためにと思って自分のプレーを変化させてしまったこと、この3つを後悔しています。これまで後悔をするような選択をしたことはないんですが、この3つは大きな反省点でした。

 僕はもう、「来年に頑張ろう」とか、「いい経験になっている」とか、そんなことを言っていられない年齢です。結局1年1年の勝負。多くの経験をしてきたはずなのに、ミスを犯してしまった。自分にとってはより重い罪ですね。

(後編に続く)

【Profile】
岡崎慎司(おかざき・しんじ)
1986年4月16日生まれ。兵庫県出身。2005年に清水エスパルスに入団し、主力として活躍すると、11年にシュツットガルト(ドイツ)に移籍し、13年にはマインツに戦いの場を移す。2シーズン連続で二桁得点を記録すると、15年にはレスター・シティ(イングランド)へ。すぐにレギュラーの座を獲得するとクラブ初のリーグ優勝に貢献した。19年にスペイン2部のウエスカに移籍し、チーム最多の12得点を決め1部昇格の原動力に。20年12月にはスペイン1部でも得点を決め、欧州3大リーグで得点を決めた初の日本人選手となった。日本代表119試合出場50得点。

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