『鬼滅の刃』の剣士と酷似。サッカーの育成の主流はパーソナルトレーニングへ (3ページ目)

◆久保建英がスペインに渡る20年前。アトレティコと契約した日本人少年がいた>>

中山 鱗滝さんは、炭治郎を柱に育てようと考えて鍛えたわけではなく、あくまでも隊士になるための基礎だけを教え込んだんですよね。サッカーの育成の世界もそれと同じで、最終的には本人の努力次第でプロになれるかどうか、あるいはプロのなかでもトップに上り詰めるかどうかが決まってくるわけで、そうした部分もサッカー的な匂いがします。

倉敷 どんな仕事に就くにしろ、まず立派な大人になれるよう基本から育てるところが同じですね。実は鱗滝さんは炭治郎が鬼殺隊に入れるとは思っていなかった。優しすぎるから無理だと思っていた。自分が育てた子どもたちが何人も死んでしまっているのを知っているから、最終選別にすら行かせないつもりだったのでしょう。でも炭治郎は大きく成長した。育成って、優秀な指導者にもわからないことも多いから難しい。

 言われたことができるようになったからではなく、面白い選手になったから選ばれる。『鬼滅の刃』でも実力者同士の一戦、たとえば柱と上弦の鬼が戦った時には「面白い」というセリフが頻繁に出てきます。どんな強い剣士になれるか、どんな面白い選手になれるか。サッカー界も炭治郎のような素質を持ち、努力を惜しまない頑張り屋さんが、今日も鱗滝さんのような育手とともに高みを目指していると期待したいですね。

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