ロナウドに戦犯の烙印。「強烈な野心」を持つ男が失ったものは何か (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 15年ほど昔、筆者はロナウドの生まれ故郷を訪れ、生家を訪ね、育ったクラブのスタジアムに行き、当時のコーチやチームメイトに話を聞いた。それはすでにひとつの人生譚だった。

<家庭環境の劣悪さにめげず、好きなサッカーで世界一を目指す>

 その強烈な野心で、肉体を極限まで鍛え続け、勝負勘を高めてきた。「泣き虫」と揶揄されたのは、制御できないほどのサッカーへの情念が巨大だったからだろう。その後、彼のメンタリティはアレックス・ファーガソン、ジョゼ・モウリーニョ、カルロ・アンチェロッティ、ジネディーヌ・ジダンと名将たちに絶賛された。

「俺は世の中に、"ロナウド、PK外せ。大事な試合でミスしろ"と思っている人が大勢いるのを知っているよ。自分としては、そうなったとしても俺の人生の一部だと思っている。その準備はしているし、ずっと昔から何年間もそうだった」

 ロナウドの言葉である。反撃の狼煙は上がるか。
 

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