2021.02.27

遅咲きの10番に「こんな選手いたのか」。セリエAでの絶妙パスがすごい

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

サッカースターの技術・戦術解剖
第47回 ルイス・アルベルト

<遅咲きの名手>

 これだけの名手が、25歳まで日の目を見なかったのは意外である。

 12歳でセビージャの育成チームに入り、Bチームを経験してトップ昇格を果たしたのが18歳。ここまでは順調。しかし、セビージャではレギュラーポジションをつかめず、バルセロナBに貸し出された。

ラツィオで欧州トップクラスのプレーを見せる、ルイス・アルベルト(左) 2部リーグで38試合に出場して11得点、これはチームで二番目の得点数だった(1位はジェラール・デウロフェウ/現ウディネーゼ)。この活躍に目をつけたリバプールからオファーが来る。セビージャは移籍を決め、本人も承諾して20歳でプレミアリーグに挑戦することとなった。

 ところが、リバプールでの出場は9試合にとどまり、マラガ、デポルティーボ・ラ・コルーニャへ貸し出される。デポールでは好プレーを見せ、2016-17シーズンにラツィオへ移籍した。

 結局、所属クラブであるセビージャ、リバプールではほとんど活躍しないまま、貸し出し先のクラブでのプレーが認められて、次の移籍先が決まるというパターンを繰り返していたわけだ。

 ラツィオでも最初のシーズンは振るわなかったが、17-18シーズンからはシモーネ・インザーギ監督(イタリア)の信頼を勝ち取り、以後はラツィオに不可欠の存在として活躍中である。現在28歳、遅咲きの名手だ。

 ルイス・アルベルトの恩恵を最も受けているのはFWチーロ・インモービレ(イタリア)だろう。昨季は36ゴールを叩き出し、ヨーロッパの得点王になったインモービレに、チャンスボールを供給しつづけたのがルイス・アルベルトなのだ。

<ハードワークの10番>

 インザーギ監督のラツィオは、ちょっと珍しいシステムを使っている。3-5-2なのだが、インサイドハーフがふたりいる形なのだ。1990年代は、3-5-2と言えばこの形が多かったのだが、最近ではあまりお目にかからない。