香川真司、本田圭佑...ブランク後の華麗なる復活はあり得るのか (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by MB Media/ AFLO

 2018年、アーセナルとの契約を終えたサンティ・カソルラは、古巣ビジャレアルでトレーニングを重ねた後にプレシーズンマッチで実戦に復帰。万雷の拍手が沸き起こる感動的な復活を遂げると、はれてビジャレアル入りが正式発表された。すると、そのシーズンはチームの中心としてリーグ戦35試合に出場し、翌2019-2020シーズンも35試合11得点をマーク。そしてビジャレアルを退団した今シーズンは、シャビ・エルナンデス監督率いるアル・サッド(カタール)で元気にプレーしている。

 所属クラブとの軋轢によってピッチから遠ざかってしまうケースも意外と多い。今シーズンからボルドー(フランス)に所属する元フランス代表FWハテム・ベン・アルファは、その典型といっていい。

 もともとピッチ外での問題が多いベン・アルファ。2016年から2年間所属したパリ・サンジェルマン(PSG)では、自分を誘ってくれたロラン・ブラン監督が加入前に退任し、ウナイ・エメリ監督のもとでプレーすることになった。しかし、監督の信頼を勝ち取れずにいると、自分の扱いに対する不満をクラブの出資者であるカタール首長に直訴。このことがフロントの逆鱗に触れてしまう。その結果、クラブから干されたベン・アルファは約1年半にわたって実戦から遠ざかる羽目に陥り、問題はクラブを相手取って訴訟を起こすまでに発展した(結局、ベン・アルファ側の訴えは認められず敗訴)。

 契約期間を終えてPSGを退団したベン・アルファは、その年の9月にレンヌ(フランス)に移籍すると、公式戦41試合に出場して9ゴールを挙げるなど、かつての輝きを取り戻すことに成功する。ただ、レンヌとの契約を終えた後は移籍先が見つからず、結局、2020年1月にバジャドリード(スペイン)に入団するまでの約半年間は無所属状態に。現在はボルドーで再び高いパフォーマンスを見せているベン・アルファだが、その才能とは裏腹な、波瀾万丈すぎるキャリアとなっている。

 一方、何らかの規則違反を犯したことによって、長期の出場停止処分を受けるケースもある。

 有名なのは薬物使用疑惑(1991年)と94年W杯のドーピング検査で陽性反応を示したことで、2度にわたって15カ月におよぶ出場停止処分を受けた故ディエゴ・アルマンド・マラドーナ。2度の処分後は、セビージャとボカ・ジュニオールズで復活を遂げており、稀有なエピソードとして伝説にもなっている。

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