バイエルン、M・シティ優位は本当か。CL決勝T全カードの見どころ (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 2月24日に行なわれるボルシアMG対M・シティも、実力差のある対戦と見られている。ブンデスリーガ7位チーム対プレミア首位(いずれも現在)の対戦だ。ブックメーカーの大半は英国の会社なので、地元勢(プレミア勢)の評価は甘い傾向がある。プレミアの首位チームは、CLでも優勝候補に推そうとする。

 その点で、プレミアのレベル、そこで首位に立つM・シティマンのレベルについては疑ってかかる必要がある。だが、ジョゼップ・グアルディオラがM・シティの監督に就いてこれが5シーズン目。ようやくひと皮剥けた印象がある。トップを狙える態勢が整ったと見る。それはなにより、守備的MFを務めるロドリことロドリゴ・エルナンデスが独り立ちしたことに起因する。

 グアルディオラがバルサ時代、背番号4をつけてプレーしたポジションと同じだ。チームのヘソ。当事者だったグアルディオラはそう認識しているはずだ。ロドリは前任者のフェルナンジーニョよりグアルディオラ的だ。視野の広いシュアなパッサーである一方で、グアルディオラに欠けていたフィジカル的な魅力を備えている。より大きく、力強くなったグアルディオラという感じだ。グアルディオラのスタイルは、彼の成長により、発信されやすい状態になっている。

 さらに、ガブリエル・ジェズスを出場時間で上回っている若干20歳のアタッカー、フィル・フォーデンの成長も見逃せない。その成長は、そのままチームに勢いをもたらす。ボルシアMGにM・シティはどんな勝ち方をするのか、見物である。

 レアル・マドリード、バルサ、アトレティコ、セビージャ。国別で最多の4チームを決勝トーナメントに送り込んだスペイン勢の評価は高くない。優勝候補というよりベスト8候補。決勝トーナメント1回戦は勝ち抜けしても次は難しいのではないかと、ブックメーカーは読んでいる。

 スペインリーグで首位を行くアトレティコと、現在プレミア5位のチェルシーの一戦は、接戦になると目されている。チェルシーは、フランク・ランパードからトーマス・トゥヘルに監督を交代したことが少なからず奏功しているのは確かだ。最低レベルから脱した状態にある。

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