2020.12.18

モドリッチが大成したのはなぜか。超絶プレーを生み出す右足の秘密

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by AFLO

サッカースターの技術・戦術解剖
第38回 ルカ・モドリッチ

<レアルを支えるメトロノーム>

 リーガ・エスパニョーラ第13 節の"マドリードダービー"は、レアル・マドリードがアトレティコ・マドリードに2-0で勝利した。

重要な一戦だったマドリードダービーに勝利したレアル。モドリッチの活躍が効いた 解任も噂されていたジネディーヌ・ジダン監督は、セビージャ戦、ボルシアMG戦(チャンピオンズリーグ/CL)、アトレティコ戦の「勝負の3連戦」を勝ち抜けて、またしても窮地を脱した。

 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)が移籍してからのレアルには、戦力的なプラスがない。ロナウドの後継者として加入したエデン・アザール(ベルギー)は負傷つづきでほとんど活躍できず、ゴールゲッターとして期待されたルカ・ヨビッチ(セルビア)は出番さえない。

 昨季はフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)の台頭があったが、優秀なバイプレーヤーが増えたという程度。一方、アトレティコは持ち前の堅守に攻撃力を加え、今季は優勝候補の筆頭と言っていい勢いを示していた。

 ところが、いざ対戦してみると、やはりレアルは強かった。CKからカゼミーロ(ブラジル)のヘディングで先制すると、執拗にパスを回して精神的にアトレティコを追い込み、ダニエル・カルバハル(スペイン)のミドルシュートがポスト、GKヤン・オブラク(スロベニア)の背中と当たって2点目。レアルがボールを持つとアトレティコは容易に奪えず、時間だけが経過して2-0のまま終了している。

 レアルを窮地から救ったのは、今回もふたりの「メトロノーム」だ。

 ルカ・モドリッチ(クロアチア)とトニ・クロース(ドイツ)。正確無比なインサイドハーフは左右に分かれてパスワークの軸となり、完全にゲームをコントロールしていた。2015-16シーズンからのCL3連覇もこのふたりに負うところが大きい。