冨安健洋の評価額は3年で18倍。今冬のミラン移籍は実現するか
冬の移籍マーケットが目前に迫るなか、日本のサッカーファンにとって気になるのが、現在ヨーロッパで活躍する日本人選手の動向だ。
とりわけ、ビジャレアルでプレーする久保建英の去就の噂を巡っては、連日のように各メディアが報じている。だが、それとは対照的に、同じ東京五輪世代の有望株、ボローニャの冨安健洋に関する移籍報道はほとんど報じられていない。
今季不動のCBとして活躍する冨安健洋 果たして、2018年1月にアビスパ福岡からベルギーのシント・トロイデンに移籍して以来、ヨーロッパ3年目を迎えている冨安が、この冬に動く可能性はないのだろうか?
そもそも冨安の移籍の噂が立ったのは、今夏の移籍マーケットでのことだった。
その時、移籍先候補として挙がっていたクラブは、イングランド・プレミアリーグのウェストハムとニューカッスル、そしてセリエAのローマとミラン。冨安にとっては、どのクラブに移籍した場合も"ステップアップ"に値する。
もっとも、プレミアの2クラブとローマについては具体的なオファーがあったのか定かではない。しかし、少なくともミランからのオファーがあったことは確実と見られている。
「我々が考える(冨安の)移籍金はもっと高額だ」
夏の移籍マーケットを終え、そのようにコメントしたのはボローニャのリカルド・ビゴンSD(スポーツディレクター)だった。
要するに、ミランが提示した金額とボローニャが要求する金額には大きな隔たりがあったため、移籍話が破談になったというわけだ。しかも、ボローニャは昨シーズンの収支を赤字で終えていたため、「貴重な戦力の安売りはしない」と判断するのも当然と言えるだろう。
いずれにせよ、冨安のボローニャ残留は確定。引き続きシニシャ・ミハイロビッチ監督のもとで、2シーズン目を迎えることになった。
そんななか、今シーズンは冨安のプレー環境も大きく変化した。加入初年度の昨シーズンは、主に右サイドバックでプレー。センターバックを本職とする冨安にとっては慣れないポジションでのプレーを強いられたなか、リーグ戦29試合に出場し、安定したパフォーマンスで評価を高めることに成功した。
1 / 3