2020.10.26

得点ランク首位。4部からプレミアに移籍したFWが示す空中戦の重要性

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

サッカースターの技術・戦術解剖
第30回 ドミニク・キャルバート=ルーウィン

<首位エバートンのリーディングスコアラー>

 プレミアリーグ第5節、エバートン対リバプールのマージーサイドダービーは、2-2のドロー。エバートンが引き分けに持ち込む2点目を、ドミニク・キャルバート=ルーウィンが決めている。

リバプール戦でゴールを決める、キャルバート=ルーウィン キャルバート=ルーウィンは現在23歳。8歳からシェフィールド・ユナイテッドのアカデミーでプレーし、2015-16シーズンまで所属していたが、もっぱら他クラブへ貸し出されていた。そのためトップチームでは11試合に出場したが無得点だった。ただ、最初の貸出先ステイリーブリッジで5試合6ゴールをゲットしている。センターフォワードへコンバートされたのはこの時だった。

 シェフィールドのアカデミーではBOX to BOXのMF、つまりボランチだった。ストライカーとして結果を出してシェフィールドに戻ったが、再びノーサンプトン・タウンに貸し出された。すると、2016年にエバートンからオファーが届く。主に地区リーグとリーグ2(実質4部)でしかプレーしていなかったキャルバート=ルーウィンにとっては、破格のオファーと言える。シェフィールドでさえリーグ1(実質3部)にすぎないのだ。

※BOX to BOX(ボックス・トゥ・ボックス/味方のペナルティーエリアから相手のペナルティーエリアまで動き、攻守に活躍する選手のこと)

 エバートンでは最初のシーズンが1ゴール、しかし4、6、13点と年々結果を出し、今季は5試合ですでに7ゴール。トッテナムのソン・フンミンと並んでリーグトップに立っている。

 開幕のトッテナム戦で決勝点、つづくウエスト・ブロムウィッチ戦ではハットトリック、さらにリーグカップのウエストハム戦でもハットトリック。1カ月で2度のハットトリックはエバートンではディキシー・ディーン以来だった。

<新世代の長身FW>

 ウィリアム・ラルフ・ディーンは、"ディキシー"の愛称で知られるエバートンが生んだ最大のスターだ。