本田圭佑、復調の要因。新監督、ポジション変更など好条件が揃った (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 スポルチ・レシフェ戦の本田はフィジカルの強さもみせ、いつも以上にスピードも速かった。ケガで数試合を欠場していたため、十分な休息が取れ、体調面も万全だったのではないかと思う。

 本田は27本のパスを出した。これはMFとしてはそう多くない数だが、うち24本は有効なパスであり、そのうちの5本のパスはゴールチャンスにつながっている。そして前半29分にゴールを決めたことは、なにより本田の力になったであろう。その後の動きはそれまで以上によくなった。よくボールをもらい、75分にはもう一度ゴールに近づいている。

 また、このスポルチ・レチフェ戦の前に、エジムンド(浦和レッズなどでプレーした元ブラジル代表)が本田のことを酷評した。彼はテレビの解説で「本田と(ソロモン・)カルーはボタフォゴに何ももたらしていない」と言い放ったのだ。本田はそのコメントを聞いて、ひそかにリベンジを誓っていたのかもしれない。

 しかし、すべてはこれからだ。カンピオナート・ブラジレイロはまだ先が長い。本田はスター選手としてリオに降り立ったものの、コロナ禍で試合の中断、アウトゥオリのもとでの低調と、これまで多くの困難に遭遇してきた。その本田がついに真価を発揮してくれるのか。ボタフォゴサポーターは期待している。

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