2020.10.15

本田圭佑、復調の要因。新監督、
ポジション変更など好条件が揃った

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 本田圭佑がカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国リーグ)で初ゴールを挙げた。本田は11日、スポルチ・レシフェ戦にキャプテンマークを腕に先発で出場。そのまま90分間をプレーした。それはブラジルに来て以来の本田のベストマッチと言ってもいいものだった。チームも2-1で勝利を挙げた

 この日、本田が活躍したのは、いくつかの条件が重なったからであると私は思う。

スポルチ・レシフェ戦で先制ゴールを決めるなど、活躍が脚光を浴びる本田圭佑(ボタフォゴ)photo by AFLO まず、なによりも一番大きかったのは監督の交代だ。今年2月、パウロ・アウトゥオリがボタフォゴの監督に就任したと聞いた時、これは本田にとってグッドニュースだと思った。アウトゥオリは日本のサッカーを知っている。日本人のメンタリティも知っている。日本語も多少はわかるし、英語で意思の疎通もできる。そして何より本田を知っている。

 しかし、それはどうやら思い違いだったようだ。アウトゥオリは本田をエース扱いしなかった。アウトゥオリは34歳の本田を、その経験の豊かさからリスペクトはしていたが、期待はしていなかった。彼のフィジカルも信じておらず、だから消耗の少ないボランチとしてプレーさせ、それも90分使うことは少なかった。

 たぶん本田もアウトゥオリに期待していたことだろう。しかし、すっかり当てが外れてしまった。ポジションは自分本来のものよりかなり後方を指示され、フルタイムプレーもさせてもらえない。本田はアウトゥオリに怒りにも近い不信感を持っていたのではないだろうか。実際、2人の間にほとんど親しい会話はなかったと、本田に近いスタッフは言っている。確かに数カ月も同じチームにいながら、本田とアウトゥオリが並んでいる写真は一枚も出回らなかった。

 アウトゥオリは、他のブラジル人監督に比べると難しい性格をしている。ブラジルの監督は多くはオープンで、選手とのコミュニケーションもよくとるが、アウトゥオリはあまりそういうことはしない。おまけにとてもプライドが高く、そのために何度かチーム幹部らと問題を起こしてきた。