2020.10.06

「久保建英は頭がいい」。スペインの
慧眼が日本人4人の序盤戦を語る

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 リーガ・エスパニョーラ1部は第5節までを戦い、各選手のコンディションやチーム状況が少しずつ明らかになっている。

「アスレティック・ビルバオの新鋭ウィンガー、ジョン・モルシージョは、下部組織『レサマ』の育ちで、序盤戦を見た限り、可能性を感じさせる。基本的にボールタッチがよく、敵を上回ることができ、個人として輝きが見える。これからに期待できる」

 スペインの名伯楽、ミケル・エチャリは、独特の視点で、いくつかの試合をスカウティングしている。

 エチャリは、リーガの名門レアル・ソシエダで20年近く、強化部長や育成部長などを務めてきた。また、過去に10年にわたって、日本代表の戦いぶりだけでなく、日本の個々の選手のプレーも分析。これまで多くの指摘が、その後、現実になっている慧眼の持ち主だ。

 そのエチャリは、リーガ1部で戦う日本人4人、久保建英(ビジャレアル)、乾貴士(エイバル)、岡崎慎司(ウエスカ)、武藤嘉紀(エイバル)のプレーをどのように分析したのか――。

開幕戦から5試合連続で後半途中出場が続いている久保建英(ビジャレアル)○久保建英

 久保は開幕から途中出場が続いているが、すぐに試合に適応し、多くのプレーに関与をしている。その度胸と頭のよさついては、高い評価を与えるべきだろう。短い時間ですぐに存在感を示すことは簡単ではない。

 エイバル戦では対峙するディフェンスを手玉にとって、何度もゴールまで迫っていた。

 バルセロナ戦も、大きな可能性を感じさせている。個人としてのスピード、技術が高い次元で融合しており、アドバンテージと言える。エイバル戦と同様、右サイドを中心にクロス、パス、シュートで、3度にも渡ってGKを脅かしていた。深いところまで切り込んでの折り返しや、左足でのシュートなど判断やタイミングがいい。外からだけでなく、サイドバックとセンターバックの間を切り込んだり、中央にボールを運んだり、変幻自在のプレーの選択肢を持っている。

 バルサは昨シーズンよりもディフェンシブなスタイルで、リスクをかけず、ジョルディ・アルバが厚みを加える左サイドからの攻撃は際立って強力だった。ビジャレアルは不本意ながらそれに押され続けた。国内有数のFW、スペイン代表のジェラール・モレノでさえ、ほとんどボールに触れなかった。