魔法の左足は健在。ハメス・ロドリゲスがプレミアで大暴れの予感
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サッカースターの技術・戦術解剖
第26回 ハメス・ロドリゲス
<レアルでポジションを失った>
プレミアリーグ開幕戦、エバートンの青色のジャージを着たハメス・ロドリゲスが躍動していた。
今季はプレミアリーグ、エバートンでプレーするハメス・ロドリゲス 左足から繰り出すピンポイントのクロスボール、浮き球に足を延ばしてワンタッチで手なずけるコントロール、細かいタッチのドリブルと強烈なシュート......。マエストロが帰ってきた。
2014年、ブラジルで開催されたワールドカップで、コロンビア代表をベスト8へ牽引する大活躍。新しいシーズンは背番号10を用意して待っていたレアル・マドリ―ド(スペイン)でプレーすることになった。思えば、あの夏がハメスのピークだった。
ハメスはトップ下、サイドハーフ、インサイドハーフのどこでもプレーできる。ところが、レアルではすべてのポジションをチームメートに塞がれて、居場所をなくしてしまった。
インサイドハーフはルカ・モドリッチ(クロアチア)とトニ・クロース(ドイツ)のコンビが鉄板化、右サイドにはガレス・ベイル(ウェールズ)、左には不動のクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)がいた。
トップ下のポジションがある時でもイスコ(スペイン)が優先だった。それほど得意とはいえないアンカーはカゼミーロ(ブラジル)がいた。
17年にはバイエルン(ドイツ)に期限付きで移籍。バイエルンは買い取りオプションを使うつもりだったが、ハメスはレアル復帰を望んだという。しかし、19年にレアルに戻っても、フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)の台頭もあって出番を得られず。ジネディーヌ・ジダン監督(フランス)の構想から外れていた。
最初にレアルにやって来た時に23歳だったハメスも29歳になった。一直線に世界最高のクラブの10番へ上り詰めたあと、6年もの停滞期があったわけだ。
プレミア開幕のトッテナム戦、4-2-3-1の右サイドハーフで久々に登場したハメスを見て、彼がどういうプレーヤーだったのか思い出した。
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