再開CLでカギを握る選手と優勝チームは?久保建英世代のMFにも注目 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Agencia EFE/AFLO

 左利きの選手は、マルコ・アセンシオが復帰するまで、常にコンディションに問題を抱え、機能的とはいい難いガレス・ベイルひとりだった。そのベイルは今季のCLで117分しかプレーできていない。

 レアル・マドリードの攻撃陣はつまり、顔ぶれが多い割に、変化の幅が少なかった。そこに右もこなせば左もこなすマルコ・アセンシオが復帰した。

 メンバー交代5人制で行なわれることも後押しする。彼をそこにどのタイミングでどう落とし込むか。試合の行方に大きな影響を与える選手であることは間違いない。先発でいくのか、交代の切り札として使うのか。ジネディーヌ・ジダン監督の選択はいかに。

 一方のシティにも光る選手がいる。20歳のMF兼アタッカー、フィル・フォーデンだ。こちらも左利きである。そしてアセンシオ同様、前回の第1戦に出場していない。レアル・マドリードにとっては未知の選手になる。身長は171センチ。久保建英と重ねたくなる選手だ。ウイングもこなせば、4-3-3のインサイドハーフもこなす。ポジションの適性でも2人はよく似ている。

 シティでスタメン級を務めるフォーデンと、レアル・マドリードへの復帰が叶わない久保。年齢が1歳上とはいえ、フォーデンは現時点では久保の上をいく存在だ。実際、シティが4-0で大勝した再開後の国内リーグ、リバプール戦では、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を演じている。

 一番の違いはボール操作のステップにある。細かい久保に対してフォーデンは一歩の幅が大きめだ。久保が俊敏に見えるのに対し、フォーデンにはスケール感を抱かせる。

 筆者の目には、昇り調子のレアル・マドリードをシティが再度、叩くには、新戦力の活躍は必須と見る。フォーデンの活躍が不可欠と見るが、英国最大手のブックメーカー、ウィリアムヒル社は、それぞれの突破確率を1.12(シティ)対5.5(レアル・マドリード)と、シティにかなり肩入れした予想をしている。せいぜい1対3程度ではないかと思うのだが。

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