2020.08.07

レバンドフスキ、31歳でキャリアハイ。スポーツエリートが持つ究極のプロ意識

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

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「限界を超えたい」

 8月21日に32歳になるロベルト・レバンドフスキは、今季のリーグ戦終了後のインタビューでそう話した。ベテランに差し掛かるポーランド代表のエースストライカーは、今季バイエルンでキャリアハイとなるリーグ34得点を挙げた。

チャンピオンズリーグ制覇を目指す、バイエルンのレバンドフスキ 得点力はもとより、身体的に屈強で、空中戦に強い。足元の技術にも優れていて、ゴール前の狭いエリアではポストプレーヤーとしてもアシスト役としても得点を演出できる。

 どんな形でもゴールに絡むことができるプレーの幅広さ。これが、世界最高のストライカーという彼への評価を不動のものにしている。

 今季の前半は監督を務めていたニコ・コバチと主力選手たちの不和の影響もあり、チームとしてのパフォーマンスが冴えない時期がつづいた。だが、本人はそんなチーム状態でも開幕から11試合連続ゴール。ひとりコンスタントに結果を残し、その後も最後まで存在感を放った。この活躍を受け、「キッカー」誌がブンデスリーガの選手に行なったアンケートで、リーグ最高のフィールドプレーヤーに選ばれた。

 怪我で長期離脱もせず、チームの好不調に左右されたりもせずに、レバンドフスキがここまで安定して活躍できているのは、稀に見る"プロ意識"のおかげだ。その背景には、スポーツエリートの家庭に生まれ育ったことが挙げられる。

 レバンドフスキは、柔道家で、ユース年代の欧州選手権を制覇した経験がある父親と、プロのバレーボール選手だった母親を持つ。姉のミレーナもプロのバレーボール選手で、まさに絵に描いたようなスポーツ一家だ。

「エリートのDNAを引き継いだ」と書いてしまえば簡単だが、ロベルトとミレーナにとっては、両親がともに引退後に体育教師となったのが幸いした。レバンドフスキは「すべてのスポーツを試した。バレーボール、バスケットボール、ハンドボール、陸上、体操、卓球......」と幼少の頃を振り返る。