久保建英は再開後の残留争いで神がかった活躍。変速日程リーガの実態 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 一方、苦しんでいるのは緻密なコンビネーションを持ち味とするチームだろう。やはり、チームの熟成に時間と労力がかかる。結果が出ないと選手が自信を失い、プレーが安定しないのだ。

 バルサは6勝3分けと、絶望視する数字ではないが、優勝するには足りず、何より内容的に先が見えない。リオネル・メッシなど主力選手とコーチングスタッフの軋轢が報じられる始末だ。ケガから復帰したルイス・スアレスが調子を上げつつあり、若手リキ・プッチの台頭は朗報だが、首位から陥落したのは必然だろう。

 攻撃的なプレーモデルで好調だった2チームも、あえなく失速している。レアル・ソシエダは2勝2分け5敗という惨憺たるありさまで、CL出場圏内だった4位から7位まで後退。ベティスも2勝2分け5敗と劣勢で、12位から13位に下がった。どちらも攻撃の華やかさが影を潜めてしまい、守備の脆さを露呈している。

 残留争いに関しては、厳しいやりくりが目立って、順位はあまり変わっていない。

 すでに降格が決まったのが、1勝1分け7敗と不振を極める名門エスパニョールだ。

 エスパニョールはチェン・ヤンシェン会長の就任で中国資本を入れ、強化や育成の主要人物を次々と入れ替えることになったが、それにより土台が揺らぎ、そのツケを払うことになっている。再開後、アベラルド・フェルナンデス監督を解任。今季4人目の監督としてフランシスコ・ルフェテを迎えたが、混迷を増しただけだった。来季は1989-90シーズン以来の2部での戦いになる。

 シーズン途中からハビエル・アギーレ元日本代表監督が率いたレガネスも、勝ち点を増やせていない。シーズン中に主力のユセフ・エン・ネシリ(セビージャ)、マルティン・ブライスワイト(バルセロナ)と、主力を引き抜かれたのは痛かった。しかし第34節エスパニョール戦、第36節バレンシア戦に勝利し、どうにか生き残っている。

 久保建英を擁するマジョルカは、2年前まで2部Bのチームであることを考えれば、大健闘と言える。

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