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久保建英のレアル戦破格のプレーに
現地で高評価。「将軍」も認める才能 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 試合開始直後から、攻撃を背負う選手としての決意が見えた。縦パスを引き出すと、後ろからセルヒオ・ラモスに潰され、ファウルを得る。相手から警戒されている証左だ。

 4分、右サイドでスローインを受け、滑らかなターンで相手ディフェンスを外す。絶妙なためを作って右サイドの裏に抜けたダニ・ロドリゲスの足元へ、スルーパスを通した。その後も深みを作ってシュートを演出し、アンテ・ブディミルが落としたボールを右足で強引にシュートに持ち込み、短いパスを何度も通し、プレーの渦を作った。

 マジョルカの優勢を、久保が牽引していた。

 しかし18分、マジョルカはカウンターを防がれると、逆にカウンターを浴び、ヴィニシウス・ジュニオールに先制点を許す。トランジションの精度と決定力で差をつけられた。ほぼ一瞬で、リードを許すことになった。

 だが、その後も久保はボールを引き出し、レアル・マドリードを脅かした。とにかくボールを奪われない。ステップ、ボールタッチが細かいため、プレーの選択を急に変えることが可能で、次のプレーを読ませず、読まれた場合も巧妙に誘い込んで、逆を取った。

 特筆すべきは、ターンの美しさと無駄のなさだろう。コンパクトで俊敏、コース取りも抜群。相手に付け入る隙を与えない。三方から囲まれながら、簡単に前を向いていたが、そのプレーは圧巻だった。

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