久保建英が首位レアルに挑む。
勝機をつかむためにどこを突くべき? (2ページ目)
その何気ない采配とコメントに、レアル・マドリードの強さの秘密は隠されている。
ジダンはリーダーとしての懐が広い。選手に対しての好き嫌いはあるはずだが、所属選手である限り、平等に扱える。お気に入りの選手を作らないし、気に入らない選手を干すこともない。
「スペイン語を覚えず、やる気も見えないガレス・ベイルに価値はない」
現地記者の間でも評判が最悪に近いベイルでさえ、プレー機会が与えられているのだ。
慧眼と平等。その両輪のおかげで、ジダンは豊富な戦力を余すところなく使うことができている。
たとえばヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスという2人のブラジル人アタッカーは切磋琢磨し、それぞれが成長を遂げつつある。マスコミの評価が低かったフェデリコ・バルベルデも、今やポリバレントな能力をいかんなく発揮させている。一時は否定的な論調に晒されていたティボー・クルトワも、今や守護神として欠かせない存在だ。
「ジダンは選手に信頼を与えてくれる」と、カリム・ベンゼマは言う。
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