際立つレアルの老獪さ。ジダン監督は
「奇異な状況」に自信あり (2ページ目)
球際の執着、切り替えの早さ、ボール技術の高さ、推進力、そして落ち着き。そのすべてが凝縮された先制点だった。
レアル・マドリードは卓抜とした個人が、組織を動かすことができる。
ジネディーヌ・ジダン監督はレアル・マドリードで欧州3連覇を成し遂げているが、戦いの基本は効率重視の「リアクション戦術」にある。守備を分厚くし、待ち構え、入ってきたボールを奪い、裏返すようなカウンターを仕掛ける。エイバル戦も、ボールを持たせながら、敵が防御線に入った途端、厳しく守備。ボールを引っかけた瞬間、ルカ・モドリッチやクロースから自動的に裏へ走るアザール、ロドリゴ・ゴエスの2人にパスが出ていた。リスクを最小限に、戦力的優位を導き出せる。
「我々はこの奇異な状況を理解している。マドリードの選手は、全員がチャンピオン。環境に適応する術を知っている」
エイバル戦後、ジダンは証言しているが、"戦いを知る選手"たちのプレーは老獪だった。セルヒオ・ラモス(34歳)、モドリッチ(34歳)、マルセロ(32歳)、ベンゼマ(32歳)、クロース(30歳)といったベテランは、勝負の勘どころを心得ていたのだ。
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