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華やかなイタリアW杯決勝の舞台で
実感。欧州に「同国人のよしみ」なし (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 決勝のチケットは、両軍のサポーターに各3分の1、地元ファンに3分の1割り当てられる。オリンピコの収容人数は6万9000だったので、ユベントス、アヤックス両軍サポーターに各2万3000枚、地元ローマのファンに2万3000枚配られたとプレスリリースには記されていた。

 4万6000人のイタリア人がオリンピコを埋めることになれば、ユベントスのホーム色は増す。アヤックスは後手に回るだろう――との読みは、完全に外れた。スタンドのゲートをくぐり、眼前に観客席が開けた瞬間、目を疑った。赤色のアヤックスカラーが、3分の1ではなく、3分の2を占めていたからだ。ユベントスの黒はわずか3分の1。オリンピコはアヤックスホームと化していた。

 地元ローマ市民は、分配されたチケットをアヤックスファンに譲ったか、あるいはアヤックスのユニフォームを着て入場したかのどちらか、だった。

「ローマ人にとって、ユベントスとアヤックス、どちらが嫌いかといえばユベントスだ。遠くの敵(アヤックス)より近くの敵(ユベントス)の方が憎たらしい存在なのだ」とは、イタリア人記者による説明だった。

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