メッシも始動。ラ・リーガ再開へ感染者を出さないための対策の中身 (4ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 テバス会長がリーグを最後までやり遂げたい主な理由は、大きな収益を失いたくないことにある。リーグがこのまま中止された場合、ラ・リーガは莫大な放映権を含め6億7880万ユーロ(約814億5600万円)もの損失が出ると見積もっている。そのためフランスやオランダなど、欧州各地で中止が決まるなか、無理をしてでもリーグ再開に突き進んでいる。また欧州5大リーグの中で一足早く、ブンデスリーガが再開したことは、スペインでのリーグ再開に向けて大きな後押しとなっている。

 リーグ再開が決定した場合、試合に向けて健康面の安全を確保するための様々な制約がある。各クラブは試合に参加するメンバー全員のリストをラ・リーガに提出し、飛行機や電車で移動する場合はチャーターする必要がある。

 スタジアムは試合前日に入念に消毒され、選手、クラブスタッフ、審判団は試合24時間前にPCR検査を受ける。試合当日の会場入りは3時間前(通常は1時間半前)となり、スタジアムに入れる人数は約230人に制限されている(選手、コーチングスタッフ、審判団、ボールボーイ、クラブ管理者、セキュリティスタッフ、医療関係者、警察、VAR、テレビ関係者など)。

 そして試合中、握手などの接触は禁止、ボールは絶えずボールボーイにより消毒され、ハーフタイムにはユニフォームをすべて着替える必要があり、試合後の記者会見はビデオ通話形式で実施される。

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