絶賛から始まった中村俊輔のリーガ挑戦。評価急落の裏に嫉妬もあった
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リーガに挑んだ日本人(7)
2000年代前半、スペイン、リーガ・エスパニョーラ1部に挑んだ選手は、城彰二、西澤明訓、大久保嘉人(東京ヴェルディ)と、ことごとくストライカーだった。
だが当時、日本はMF陣が百花繚乱。中田英寿、小野伸二(FC琉球)、稲本潤一(SC相模原)、松井大輔(横浜FC)、長谷部誠(フランクフルト)らが、欧州各国でもてはやされていた。スペインでも、中盤の選手の挑戦が待望されたのは自然の流れだろう。
また、過去の3人のストライカーは、Jリーグから海を渡ってやって来た。彼らはヨーロッパの生活様式に慣れていなかった。言葉を含めたコミュニケーション一般の問題も抱えていた。日本で長いシーズンを戦ってから、シーズン真っ只中の欧州のチームで力を見せつけるハードルは高かった。年明けのシーズン途中からの入団で、すでに戦ってきた集団に適応しなければならない。大げさに言えば、学期の途中からやってきた言葉のわからない転校生だ。
「ナカムラは流れを変える!」
レッジーナ、セルティックを経て2009年、エスパニョールに加入した中村俊輔 スペインの記者たちは当時、MF中村俊輔(横浜FC)の挑戦に大きな期待を寄せていた。
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