メッシも始動。ラ・リーガ再開へ感染者を出さないための対策の中身 (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 だが、国のトップであるペドロ・サンチェス首相は、「サッカーが早く再開されることを願っている」と語りつつも、「スタジアムではなく、テレビの前で観ることになるだろう」と、無観客開催となる見解を示した。

 無観客開催は、各クラブにとって入場料収入で大打撃になるだけでなく、選手たちのモチベーションに悪影響を与える点も懸念される。

 アトレティコ・マドリードのキャプテンであるコケは「サポーターは常に僕たちを盛り上げ、最も必要としている時には助けとなる。彼らなしにプレーするのは難しい」と観客の重要性を訴えた。実際、アトレティコは2月にホームのワンダ・メトロポリターノで行なわれたチャンピオンズリーグで、満員の観衆の後押しを受けながら、優勝候補の一角だった前年度王者のリバプールを撃破した。

 しかし現実問題として、観客を動員しての試合開催は不可能だろう。

 バルセロナのDFジェラール・ピケは「多くの利害関係があるので、ラ・リーガがリーグ戦を最後まで終えたいのは理解できる。無観客開催を望んでいない一方、僕たちは首位だがこれ以上プレーせずにリーグを終えるのも酷いことだ」と複雑な胸の内を明かした。そして、「ハビエル(・テバス会長)が6月12日に再開する話を聞いたが、もう1カ月しかなく練習試合もできない。ケガを避けることを考えると、もう少し時間があったほうがいいと思う」と再開が時期尚早であると訴えた。

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