冨安健洋も「面構えが良い」1人。東京五輪世代で最強のCBは? (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 徳原隆元/アフロ●写真 photo by AFLO

 長くウルグアイ代表だった(ディエゴ・)ルガーノは、その典型だった。危険な場所で踏ん張って、ボールのコースを変えることによってチームの運命を変える。『あ、シュートを打たれたな』なんていう暢気なセンターバックは高いレベルでやっていけない。守備者としての覚悟、責任。『ここに俺がいるから、おまえらは心配するな』と後ろから安心を伝えられるか、だ」

 その面構えという点では、日本代表の冨安健洋(21歳、ボローニャ)も無骨さを増している。セリエAで若手の日本人選手がディフェンダー(現在の主戦場は右サイドバック)としてプレーする時代が来るとは、隔世の感がある。そのディフェンスは迫力を感じさせ、ステップワークの弱点もなく、推進力も備える。歴代の日本人CBと比較しても、非凡な人材だ。

 日本にはほかにも期待できるDFがいる。渡辺剛(23歳、FC東京)は、技術的に洗練されていないものの、ヘディングが強く、マーキングもしつこく、CBらしい硬骨さを感じさせる。たゆまず鍛錬することによって、いつか中澤佑二のような存在になれる可能性はある。東京五輪では、格上アタッカーとの勝負になるはずだ。強敵との対峙で成長の足掛かりをつかめるかもしれない。


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