CL史上、最もマジメな得点王。そのフィンランド人は10番の概念も変えた (4ページ目)
「夏はサッカー、冬はアイスホッケー。ともにエースだった。17歳の時にどっちに進むか、選択を迫られて、それでサッカーを選んだんだ。アイスホッケーを続けていても、相当いい選手になっていたと思う」「アイスホッケーで培った高い動体視力がサッカーにも活かされている。その極めつきが1995-96シーズン決勝の同点ゴールではないか」......。
確かに、ユベントス戦の同点ゴールは、「リバウンド」に誰よりも早く反応した結果、生まれたゴールだった。その一連の身のこなしは、サッカー選手の反応のレベルを大きく凌駕していた。
リトマネンは、とにかくプレーが鋭く"切れる"選手だった。 アイスホッケーの選手が、スティックのブレードを操作する動きを彷彿とさせるインサイドキック。身体の面の作り方がうまいので、相手にパスの方向性を読まれにくい。瞬時に向きを変え、意外な方向にスパッと出す。ボールの転がりもまたアイスホッケー的で、パックが氷面を這うように速く滑らかで鋭かった。
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