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久保建英が4戦連続で先発を
外れた理由。不振でも限界でもない (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 直近のエスパニョール戦も、63分に途中出場すると、右サイドで起点になった。ボールを持って、巧みにリズムを作り出していた。警戒されて周りを囲まれると、左に回ってゴールラインまで侵入。終盤には2人を引きつけてファウルを得て、自ら突破し、完璧なクロスを折り返した。

 しかし、チームとしての劣勢はどうにもならなかった。

 実はマジョルカは、"化けの皮がはがれた"状態にある。メンバーの半数近くが、2年前まで2部B(実質3部)にいた選手だ。たとえば、(クラブ収入に応じてリーガ・エスパニョーラが使用可能額の限度を設定する)サラリーキャップでも20チーム中ダントツ最下位で、補強はままならい。そもそも戦力的に、極めて厳しい状況なのだ。

 マジョルカは1部で戦うために組織力を高め、序盤戦はプレーオフからの昇格組として野心的に戦った。第9節までにエイバル、エスパニョール、そしてレアル・マドリードに勝利。クロアチア人FWアンテ・ブディミルの健闘などもあって、勢いとしぶとさでどうにかわたり合ってきた。

 11月には久保がビジャレアル戦で1得点1アシスト。3-1と貴重な勝利に貢献している。ホームで勝ち点3を取れたことによって(アウェーは今も勝ち星がない)、降格圏をぎりぎり回避していたのだ。

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