吉田麻也、サンプドリアへ移籍してすぐにイタリア語で取材陣を笑わせる (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 イングランドほどの縦への速さはない。しかも、この日の相手クラスのチームであれば、化け物級のストライカーもいない。ただしその分、確実に守ることが求められる。

 サウサンプトンでそうだったように、サイドバックでの起用も構想に入っているのだろうか。

「ノ、ノ、ノ、チェントラーレ(中央)」

 さっそくイタリア語で周囲を笑わせた。

 サンプドリアは、失点が多く不安定な最終ラインを補強するために吉田を獲得した。とはいえ、いきなり最終ラインの選手を替えるのは、それなりにリスクもある。特にこの日、トリノ戦で勝利したことで、吉田の出場はもう少し先になるかもしれない。

「サッカー以外の、ピッチ内外でのコミュニケーションもそうだし、言葉もそうですけど、お互いに理解し合わなければいけない。時間がないので、この4カ月ですぐ結果を出すために、やらなきゃいけないことは理解しているつもりです」

 吉田はいま、初めてオランダに足を踏み入れた時のような気持ちだという。初心に帰る意味合いも込めて、名古屋グランパス時代の最初の背番号34を選択した。ちなみにサウサンプトンでの今シーズン前半は、ほとんど試合に出ていないため、「コンディション? わかりません」と言う。

 吉田からは、チャレンジしている人間特有のワクワク感が伝わってきた。

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