2020.02.09

わずか32歳で名監督。ライプツィヒ・
ナーゲルスマンの卓越した戦術論

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 ブンデスリーガ前半戦を首位で折り返すなど好調で、2月9日にバイエルンとの首位攻防戦を迎えるライプツィヒ。国際的な巨大企業『レッドブル』のプロジェクトとして、ここ数シーズン上位に進出し続けてきた新興クラブを率いるのは、リーグ最年少にして、ドイツ最高の監督と評価されるユリアン・ナーゲルスマンだ。

ブンデスリーガ制覇を狙う、ライプツィヒのナーゲルスマン監督 32歳にして欧州で確固たる地位を築いたこの若手監督は、ここまでどのような道のりを辿ったのだろうか。ドイツ国内では、もはやリーグを代表する顔のひとりと数えられる指揮官の、ポートレートを描いていこう。

 ナーゲルスマンがブンデスリーガの舞台を初めて経験したのは、2012年12月まで遡る。ホッフェンハイムでマルクス・バッベル監督が更迭された後、そのシーズンの終了まで3人の監督のアシスタントを務めたのだ。

「初めてのブンデスリーガの試合では、ピッチに出る出口がどこかもわからなくて右往左往してしまった。ようやくピッチに出られて、ウォーミングアップの準備をしていたら、それは相手のハンブルクのピッチサイドだったんだ。慌てて自分たちのサイドに戻ろうとしたら、スタジアムアナウンサーがカメラの前で話しているところを横切ってしまって、注意を受けた。それを聞いたハンブルクのファンからはブーイングの嵐さ(笑)」