今季CLはビッグクラブが盤石。パリ、バルサ、ユーベが好調な要因は? (6ページ目)
倉敷 好きなものを食べていそうですね(笑)。一方のナポリについてはどう見ていますか?
小澤 リーグ戦は厳しくなっているので、バルサに対して一発を狙ってきそうな気がしますけど、マウリツィオ・サッリ監督が築いた魅力的なチームのサイクルが終わった印象を受けています。今冬にディエゴ・デンメ(←ライプツィヒ)、スラニスラフ・ロボトカ(←セルタ)といった選手を補強しましたが、チームが大きく様変わりするような選手たちではないと思います。
中山 ミランの監督時代の印象だと、ガットウーゾは選手を叱咤激励してまとめるのは得意ですが、戦術的なバリエーションは少ないですよね。ここまではナポリでもお得意の4-3-3を使っていて、ミランの時は3バックにトライしたこともありましたが、あまり機能していた印象はないですし。
小澤 普通に戦えばバルサに大敗する可能性が高いと思いますので、いかに粘り強く守れるかでしょう。ただ、守備的に戦うといっても引いてスペースを消す戦いでは余計勝ち目がないので、グループステージでバルサを苦しめたスラビア・プラハが実践したようなハイライン、ハイプレスの積極的守備で対抗したいところです。
倉敷 第1戦で勝負がついてしまうかもしれませんね。そもそもフロントは、CLを睨んでガットゥーゾに監督を任せたわけではなさそうです。イタリアで伝えられるところでは会長の息子が現場に口を挟んで、フロントはアンチェロッティやキャプテンとうまくいかなくなったようです。
イタリアではパトロンが現場に口を挟むのは当たり前のことですし、元来ナポリは騒がしいクラブですが、完全にチームはバラバラになってしまいました。とくにキープレイヤーだったホセ・カジェホンが、モチベーションを落としているのが気になります。彼はマレク・ハムシクがいる中国の大連一方に行きたいようです。監督がラファエル・ベニテスですからね。
小澤 最後の荒稼ぎを狙っているわけですね。大連一方には日本代表がやられたベネズエラ代表のサロモン・ロンドンもいますしね。
倉敷 ナポリは、エネルギッシュなガットゥーゾにチームを団結させてもらおうとしたのかもしれませんが、美しい攻撃を見せたサッリ時代の面影は完全にありません。こうなると守備重視の戦いも有り得るかもしれません。アウカディウシュ・ミリクとドリース・メルテンスの力だけでバルサに勝つのは難しくとも、カリドゥ・クリバリやアランといった市場価値の高い守備の戦力は健在です。
最後に優勝候補の一角であるユベントスに触れましょう。リヨンとは2016-17シーズンのグループステージで戦ってホームでは1-1のドロー、アウェーではユベントスが1-0で勝っています。
<サッリ色が出てきたユベントス。ロナウドも点を取り出し、攻守に安定>
中山 このカードも順当にユーベが勝つでしょう。ナポリ同様、リヨンは国内リーグで中位にいてCLどころではない状況。エースのメンフィス・デパイがケガをして後半戦は絶望と言われていて、右SBレオ・デュボワも負傷離脱中です。冬の移籍市場でアタッカーを補強して、なんとか来季のCL出場権獲得まで漕ぎつけたいところでしょう。リヨンとしては2シーズン連続でCLの16強入りを果たしたことが何よりの成果なので、これ以上は望めないと思います。新監督のルディ・ガルシアにはそこまでの期待はできません。
6 / 7