2020.01.01

久保建英がリーガで起こしたセンセ-ション。
新たな「革命」を起こす予感

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 第15節、ベティス戦も序盤から左足で鋭いシュートをたて続けに放っている。後半も左右、中央から3~4回の決定機を作り出した。終盤にはひとりで切り込んでのからのミドルシュートでゴールを脅かすが、これは相手GKに止められた。チームは敗れたが、彼のプレーは際立っていた。

「1部の有力選手」

 久保はすでにその定評を手にしている。どのクラブのどんなプレースタイルにも適応できるはずで、ひ弱さはない。

 CIESというサッカー調査機関が、欧州の有力リーグで期限付き移籍している選手の評価額を発表している。1位はバイエルンのブラジル代表フィリペ・コウチーニョの9650万ユーロ(約115億円)だった。続いて、2位にダニ・セバージョス(アーセナル)、3位にマルティン・ウーデゴール(レアル・ソシエダ)、8位にアクラフ・ハキミ(ドルトムント)、31位にセルヒオ・レギロン(セビージャ)。そして33位に18歳の久保が1700万ユーロ(約20億円)でランク入りし、その価値は上がり続けている。

 久保は開明的である。すでに語学を身につけ、コミュニケーション力も高く、文化道徳だけでなく、プレーリズムにも素早く適応。おかげで、持ち前の高いスキルや知性を試合で、持ち腐れにすることなく存分に出すことができている。過去にスペインを挑戦の場に選んできた選手たちとは一線を画している。

「レアル・マドリードに残るべきだった」

 そんな意見もあるが、久保は高いレベルでプレーする可能性を選択したにすぎない。ブラジル代表のロドリゴのように、Bチームのカスティージャにとどまってチャンスを得るのもひとつの選択だろう。ただ、久保は進んでチャンスをつかみ取る道を選び、今やセンセーションを起こしつつある。たとえ1年での復帰がないとしても、1部リーグで積み上げた実績は彼を逞しくするはずだ。

 同国のスポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、「久保の所有権を持つレアル・マドリードが、復帰リスト5選手にその名を加えた」と報じている。ほかの4人はウーデゴール、レギロン、セバージョス、ハキミ。いずれも、トップクラブで主力として活躍している選手たちだ。