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堂安律、2020年への決意。
「すべてをかけてオリンピックで優勝したい」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 今季前半戦のPSVは、10月なかばから突然チームが崩れてしまい、首位アヤックスとの差が勝ち点10まで開いたうえ、AZに抜かれて3位まで落ちた。そして、マルク・ファン・ボメル監督は更迭された。

 そんな重苦しいシーズンを送っているPSVだが、今年最後の試合となったズヴォレ戦を4−1で快勝すると、選手たちの顔には笑みがあふれた。心身ともに疲弊しきった若きタレントたちは、まずはクリスマス休暇をリラックスして過ごし、年明けのカタール合宿からシーズン後半戦の捲土重来を図る。

すっかりPSVの一員として定着した堂安律すっかりPSVの一員として定着した堂安律 だが、ロッカールームから出てきた堂安律の表情は冴えなかった。この日、堂安は67分でベンチに退いていた。

「自分的にもよくないのはわかっていましたし、仕方がない。自分の感覚がよくなかった。アイデアが浮かび上がってこなかった」

 ズヴォレ戦の堂安は右サイドハーフとしてスタートし、立ち上がりこそシュートを2本放ったが、その後はプレーの関与が減っていった。後半開始からボランチにコンバートされるとボールタッチが増え、チームの3点目につながるクロスを入れたりもしたが、「ボランチはとくにやりたくない。やるなら30歳を過ぎてからでいい。今はイケイケの(攻撃的なポジションの)ほうがいいかな」と、新たな境地への興味はなさそうだった。

 なにはともあれ、堂安律の2019年はこれで終わった。

 1月、アジアカップで2ゴールを決めた堂安だったが、大会を通じて縦のドリブルを封印されてしまい、思うようなパフォーマンスを披露することができず、日本代表も準優勝に終わった。その後、フローニンゲンに戻って2018−2019シーズンの後半戦を戦ったが、たった1ゴールに終わってしまった。

 8月末、堂安はPSVへのステップアップを果たした。ただ、試合にはコンスタントに出ているものの、周囲を納得させるほどのパフォーマンスと結果は残せていない。

 こうしたことを踏まえたうえで、堂安は2019年を苦笑交じりにこう振り返った。

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