久保建英がバルサ戦で証明。グリーズマンと代わってもやれる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 バルサ戦はまだマシな方だったが、このダメなマジョルカからいち早く抜け出すべきだと言いたくなる。とはいえ、レンタル元であるレアル・マドリードに戻ったところで、そのトップチームで多くの出場機会は望めそうもない。悩ましい問題である。

 マジョルカのビセンテ・モレーノ監督はこの現状をどう見ているのか。そして日本代表の森保一監督にもひと言、言いたくなる。毎度、毎度、久保を招集するな、と。10月の代表戦(モンゴル戦、タジキスタン戦)では、10日以上拘束して、試合に使ったのはわずか5分だった。こうした愚を2度と繰り返してはいけない。

 このバルサ戦は、久保が「日本の宝」であることがあらためて証明された一戦だった。バルサの一員に入っても十分やっていけそうな可能性を感じさせた。レアル・マドリードより、やはり古巣のバルサの方がプレースタイル的にマッチしているのではないか、とも思った。グリーズマンのポジションに入ってもやれるのではないか、と。

 カンプノウを埋めたファンは、バルサではなくレアル・マドリードを選択した久保に、最後までブーイングを浴びせ続けた。しかし、もし筆者がバルサファンだったら、憎しみと言うより、「ウチでやればよかったのに」という残念な思いを、そのブーイングに込めていたに違いない。この日の久保はそれほどよかった。可能性を示すことができた。日本代表、U-22の選手として活躍する姿より、スペインで活躍する姿にいっそう期待を寄せたくなった。日本の宝として順調に育ってほしいものである。

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