武藤嘉紀、「世界一のチーム」リバプールの強さを実感して脱帽 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 とはいえ、惜しいチャンスもあった。後半のアディショナルタイム、スルーパスに反応し、相手DFラインの背後に飛び出した。DF手前の位置から回り込むようにして走り、パスの出る絶妙なタイミングで裏のスペースに抜けたが、オフサイドの判定。しかし、リプレイで確認すると明らかにオンサイドで、誤審に泣かされた。

 武藤も「(抜けていれば)完全にGKと1対1になっていったので、もったいなかった。強い相手に対しては、ああいうワンチャンスを決めるしかない。何回もチャンスがあるわけではないから」と悔しそうな表情を浮かべた。

 一方で、武藤が取材エリアで口にしたのが、昨季CLで頂点に立ったリバプールの強さについてだった。「相手のほうが上手(うわて)だった」と語ると、その理由を次のように話した。

「やっぱり(先制されてもリバプールは)焦らない。ひとりひとりの技術がほんと高いなと、あらためて感じました。選手たちは走れるし、球際も強い。うまいし、すごい運動量がありますし、みんなが連動している。なので、攻撃がどこからくるかわからない。個の力がある選手が揃っている。

 毎回やって思うのは、本当に強いなと。これが世界一のチームなんだなと感じました。だからこそ、その相手から得点を獲れればよかったですけど」

 今回のリバプール戦で、ニューカッスルは開幕5試合を消化した。武藤の出場記録は5試合連続でベンチスタート。そのうち4試合に途中交代で出場し、1試合で出番がなかった。現状、控えの扱いに甘んじている。

 武藤の置かれている状況はなかなか厳しい。武藤としてはゴールがほしい。結果さえ掴めば、レギュラーに大きく近づくと本人も信じている。

 だが、そのためには限られた出場時間のなかで、結果を残す必要がある。また、今回のリバプール戦のように、強豪相手になれば守備もこなさなければならない。サイドMFであれば、なおさらだ。

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