王者盤石のブンデスリーガ展望。長谷部誠ら日本人は定位置確保で期待大 (2ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 昨シーズン2位のドルトムントは、オフシーズンの早い時期に、立て続けに大型補強を大々的にアナウンスし、推定1億ユーロ(約120億円)を超える補強を行なった。ドイツ代表左サイドバックの二コ・シュルツ、同じくドイツ代表のオフェンシブハーフを務めるユリアン・ブラント、そしてベルギー代表ウイングのトルガン・アザールに加えて、バイエルンからマッツ・フンメルスが復帰した。

 昨シーズンは、一時2位バイエルンとの勝ち点差を9まで広げたものの、下位チームに勝点を取りこぼし、優勝のチャンスをみすみす逃した。バイエルンで"勝者のメンタリティー"を培った経験豊富なフンメルスを補強したのは、そのためだ。ドイツのサッカー専門誌『キッカー』のインタビューで、フンメルスは「"勝者のメンタリティー"をチームにもたらすことが、自分に課した目標だ。バイエルンは、40年もの間、そのメンタリティーを維持してきた。ドルトムントに、その姿勢を定着させることが目標だ」とライバルクラブとの差を詰めようとしている。

 だが、第3節では昇格組のウニオン・ベルリンに敵地で1-3の完敗。炎天下のなか、是が非でも勝利を狙うウニオンの気迫の守備に得点を重ねることができず、一瞬のスキを突かれ、3失点。悪いクセが再び顔を出した。

 フンメルスは、「苦しいときに平静でいること、そして自身の役割を落ち着いて全うすることが、サッカーの巧さなんだ」と開幕前に話していた。だが、まさか第3節を終えて正念場が訪れるとは、自身も思いもよらなかっただろう。国際Aマッチウィーク明けの連戦のなかで、チームの反発力が試される。

 第3節を終えて首位に立ったのは、RBライプツィヒ。開幕戦でウニオン・ベルリンに4-0で快勝すると、フランクフルト、ボルシアMGといった難敵との接戦を制して3連勝。契約延長したばかりのドイツ代表ストライカーのティモ・ヴェルナーを筆頭に、ハイプレッシングなサッカーで、2016-17シーズンのブンデスリーガ1年目から在籍する選手が主力として活躍している。

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