イタリア人記者が冨安健洋を絶賛。ガゼッタ紙は新星ベスト5に選出
「まあ、見ていてごらんよ、冨安は今シーズンの大きなサプライズとなるから」
冨安健洋の入団会見で、ボローニャのテクニカルディレクター、ヴァルテル・サバティーニは自信たっぷりに言った。今、それは現実となりつつある。
"日本人選手"と聞くと、テクニカルというよりは経済的な効果を狙っての獲得ではないかと、まず勘ぐってしまうのがイタリア人の悪い癖だが、そんな考えはもう時代遅れだということを、冨安は証明してくれた。ボローニャでの初の公式戦、コッパ・イタリアのピサ戦に続き、冨安はセリエAでのデビュー戦でも魅せてくれた。
開幕のヴェローナ戦にフル出場した冨安健洋(ボローニャ)photo by Maurizio Borsari/AFLO ボローニャの開幕戦は、1年ぶりにセリエAに戻ってきたヴェローナとのアウェー戦だった。この日、何よりもスタジアムを沸かせたのは、白血病の治療中であるシニシャ・ミハイロビッチ監督が、病院を抜け出しベンチに姿を現したことだ。これには選手たちも驚き、気持ちを熱くした。
しかし、残念ながら試合は1-1のドロー。ボローニャは前半15分に先制したものの、その後、1人少ないヴェローナに同点にされてしまった。ミハイロビッチに勝利を捧げられなかったことを、冨安をはじめ多くの選手が悔やんでいた。
冨安は90分のフル出場。休み明けで、多くの選手がまだ体が重く、動きも鈍い中、 彼はチームで最高点のプレーを見せてくれた。冨安がこの日のベストプレーヤーだったことには誰も異論はないだろう。
ピサ戦に続き、本来のCBではなく、4-2-3-1の右サイドバックとしての起用であったが、敵の中に切り込んだかと思えば、すぐに守備に戻り、最適なポジションに入り、いつも準備万端だった。ボールを持ってのミスもほとんどない。高いボールにもよく反応し、相手のプレーの先を読み、ボールを奪う。有効なパスは80回、インターセプトも少なくとも3回はあっただろう。デビュー戦だというのに、恐れも不安も感じさせない堂々としたプレーで、すべてに積極的、自分がやるべきことを確実にこなしていた。
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