実績は久保建英より上。東京五輪にやって来る欧州の若きスターとは? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 変わったところでは、ルーマニアのMFイアニス・ハジ(父は元ルーマニア代表レジェンドのゲオルゲ)、フランスのFWマルクス・テュラム(父は元フランス代表でワールドカップ優勝メンバーのリリアン)のように、かつての名選手の二世も出場している。偉大な父から受け継がれた才能にも注目したいところだ。

 ただし、東京五輪の出場権争いについて、つけ加えておかなければならないのは、イングランドには獲得資格がないことだ。

 というのも、サッカーの場合、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドにそれぞれ独立したサッカー協会があり、それぞれの代表チームを有している。五輪への出場は、あくまでも連合王国であるイギリスとしてでなければならないのだが、それにかなった"イギリス代表"は存在しないからだ(地元開催のロンドン五輪では、特別に連合チームが編成された)。

 つまり、フォーデンがどんなに活躍しようとも、東京五輪でそのプレーを見ることは、残念ながらできない。今大会でイングランドが準決勝に進出した場合は、各組2位の3カ国のうち、準決勝に進めなかった2カ国が、繰り上がりでの東京行きをかけ、プレーオフを戦うことになっている。

 また、今大会を五輪予選と位置づけて見るうえで少々厄介なのは、今大会と東京五輪では、出場資格条件の年齢基準に差があることだ。

 今大会の出場資格は、2019年時点での23歳以下。すなわち、1996年以降生まれとなっているのだが、来年の東京五輪でのそれは、2020年時点での23歳以下。すなわち、1997年以降生まれが対象となる。

 前述した選手を見ても、1997年生まれのマンドラゴーラやヨビッチ、2000年生まれのキーンには五輪出場の資格があるが、1996年生まれのセバージョスにはない。

 しかしながら、説明はこれだけでは十分ではない。これに輪をかけて厄介なのが、五輪には24歳以上の選手でも出場できるオーバーエイジ枠があるということだ。

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