2019.06.10

オランダ代表よ、自信を持って胸を張れ。
この敗戦は必ず次の糧となる

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ホストカントリーのポルトガル相手に戦ったネーションズリーグの決勝戦は、オランダにとって苦いものとなった。

 オランダは立ち上がりからポゼッションを高め、ボールを失ったらすぐにハイプレスをかけて回収しようとした。だが、ポルトガルの巧みなサイドチェンジにいなされて、やがてオランダの選手の足は止まった。

 その後は次第に、ポルトガルのワンサイドゲームになる。前半、ポルトガルの放ったシュートが11本だったのに対し、オランダはわずか1本しか打てなかった。

FWメンフィス・デパイの攻撃力は不発に終わった 後半、オランダは交代策を使ってやや持ち直したが、60分にMFゴンサロ・グエデスのゴールでポルトガルに先制点を奪われ、窮地に追い込まれた。81分に長身ストライカーのルーク・デ・ヨングを投入し、ロングボールに一縷(いちる)の望みをかけたが、ビッグチャンスを創出するまで至らず。0-1というスコア以上の完敗を喫してしまった。

 決勝戦はどうしても、準決勝2日目の勝ち上がりチームがリカバリー不足で不利になる。しかもオランダはイングランドとの準決勝で延長戦を戦い抜いており、ポルトガルとの決勝戦が不利になることはわかっていた。

 それでも、ピッチの上にはいろいろ課題が落ちていた。そのひとつが、アタッカー不足だ。試合終了直後から、オランダの専門誌や全国紙は「オランダの課題はFW陣にあり」と辛辣に批判している。

 現在、オランダは「ゼロトップシステム」を採用している。そのキーマンがFWメンフィス・デパイだが、ポルトガル戦では連続してボールロストを犯してしまい、前線で起点をまったく作れなかった。

 ここ2年間のオランダ代表のゴールにおいて、デパイは高い確率で関与している。だが、ポルトガル戦のように彼が不振に陥ると、代わりにカバーする選手が見当たらない。

 ポルトガル戦ではFWライアン・バベルとFWステーフェン・ベルフワインが先発し、後半からFWクインシー・プロメスが投入された。だが、出来は全員、今ひとつ。試合後、オランダ代表を率いるロナルド・クーマン監督は「FW陣をなんとかしなければ……」とコメントしていた。