攻撃封印の長友佑都に、香川真司は「圧倒的な存在感。刺激になった」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by KYODO

 ここ(トルコリーグ)で生き抜くこともタフだと思うし、それは僕自身も感じている。それをやり続けるのは、それだけのトレーニング、準備をしているからかなと思います。刺激になりましたね。一緒に戦えてよかった、勝ちたかったけど。今日は負けたので、次、勝てるように頑張っていきたい」

 その香川はベンチスタート。早い時間帯からウォーミングアップを行ない、早めの出場があるのかと思われたが、結局は75分から、4-3-3のインサイドハーフで途中出場した。81分にはゴール前で右クロスにつめたが、味方が手前に入ってしまい、香川のもとにボールは届かなかった。

 結局、香川は得点に絡むことはなく、自身の立ち位置も含めて「悔しい」と繰り返した。納得がいかないというピリピリとしたムードを漂わせながら、現状の厳しさについて、こう語る。

「ファーストチョイスとしては見てないのかな。特に、守備(が課題)なのかわからないですけど、序列というのは(先発、サブと)分かれている部分はあるので、それを補うために、日々トレーニングして試合でやり続けていくだけ。毎日、毎試合、そこで監督に信頼を得られるように、悔しさをパワーに変えてやるだけだと思っているので、また次の週に備えたいなと思います」

 長友はそんな香川と「もっと長い時間対戦したかった」と言う。

「正直、真司が10分、15分程度の(プレー)時間で、僕らとしては助かりましたよ。彼が一番クオリティがあって、一番視野が広くて怖い選手で、明らかに彼が出てきてからボールが回り始めたというか、散らし始めた。最初から彼が出ていたらどうなっていたんだろうとか、後半のもっと早い時間帯に入ってきたら、もっと厄介な試合になっていたんじゃないかなと思います。だから、僕らは助かりましたね」

 試合後、2人はユニフォームを交換して、ピッチを引き上げていた。トルコ最大のダービーで、優勝争いの真っただ中での日本人対決。それは置かれている立場の違いが如実に表れた一戦となった。

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