またもネイマール頼み? コパ・アメリカ開催国ブラジルに広がる不安
ダヴィド・ネレス(アヤックス)は、レアル・マドリード、ユベントスのディフェンダーを次々に破り、チームのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出の原動力となった。
ルーカス・モウラ(トッテナム)はチームの魂となり、同じくCLで宿敵マンチェスター・シティを破った。
コウチーニョ(バルセロナ)も彼一流のプレーを取り戻しつつある。CLのマンチェスター・ユナイテッド戦で鳥肌もののゴールを決め、同僚リオネル・メッシから賞賛を得た。
ロベルト・フィルミーノ(リバプール)もそのゴールで、CL、そしてプレミアリーグで躍進したチームを支えた。
ガブリエル・ジェズスは22歳にして、すでにマンチェスター・シティのスターである。シティを率いる世界最高峰の監督のひとり、ジョゼップ・グアルディオラも彼を高く評価している。
それだけではない。世界中の強豪クラブで、チームの要となっているブラジル人ストライカーは数多くいる。マルコム(バルセロナ)、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)、ドゥグラス・コスタ(ユベントス)、ウィリアン(チェルシー)、リシャリルソン、ベルナルド(ともにエバートン)、フェリペ・アンデルソン(ラツィオ)......。
トレーニング中のブラジル代表ネイマールとチッチ監督 photo by Reuters/AFLO ブラジル代表では、これらの合計16人もの選手たちが、ネイマール(パリ・サンジェルマン)の相棒の座を狙っており、今もその候補者の数は増えている。これだけ優秀な選手が揃いながら、セレソンのレギュラーを確約されている者はいない。決まっているのはただひとり、ネイマールだけだ。
これほどの選択肢があるということは、普通ならば僥倖(ぎょうこう)以外の何ものでもないだろう。しかしブラジルは違う。チッチ監督にとってはまだ不十分なのだ。
南米サッカーのナンバー1を決めるコパ・アメリカが、あと1カ月に迫っている(6月14日開幕)。ブラジル人にとって非常に重要な大会だ。2014年のブラジルW杯、2016年のリオ五輪に次ぐ3つ目の大きな国際大会であり、集大成でもある。そして2018年のロシアW杯で失敗したセレソンは、何がなんでも優勝することが義務付けられている。
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