2019.05.08

またもネイマール頼み? コパ・アメリカ
開催国ブラジルに広がる不安

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳
  • translation by Tonegawa Akiko

 ダヴィド・ネレス(アヤックス)は、レアル・マドリード、ユベントスのディフェンダーを次々に破り、チームのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出の原動力となった。

 ルーカス・モウラ(トッテナム)はチームの魂となり、同じくCLで宿敵マンチェスター・シティを破った。

 コウチーニョ(バルセロナ)も彼一流のプレーを取り戻しつつある。CLのマンチェスター・ユナイテッド戦で鳥肌もののゴールを決め、同僚リオネル・メッシから賞賛を得た。

 ロベルト・フィルミーノ(リバプール)もそのゴールで、CL、そしてプレミアリーグで躍進したチームを支えた。

 ガブリエル・ジェズスは22歳にして、すでにマンチェスター・シティのスターである。シティを率いる世界最高峰の監督のひとり、ジョゼップ・グアルディオラも彼を高く評価している。

 それだけではない。世界中の強豪クラブで、チームの要となっているブラジル人ストライカーは数多くいる。マルコム(バルセロナ)、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)、ドゥグラス・コスタ(ユベントス)、ウィリアン(チェルシー)、リシャリルソン、ベルナルド(ともにエバートン)、フェリペ・アンデルソン(ラツィオ)……。

トレーニング中のブラジル代表ネイマールとチッチ監督 photo by Reuters/AFLO ブラジル代表では、これらの合計16人もの選手たちが、ネイマール(パリ・サンジェルマン)の相棒の座を狙っており、今もその候補者の数は増えている。これだけ優秀な選手が揃いながら、セレソンのレギュラーを確約されている者はいない。決まっているのはただひとり、ネイマールだけだ。

 これほどの選択肢があるということは、普通ならば僥倖(ぎょうこう)以外の何ものでもないだろう。しかしブラジルは違う。チッチ監督にとってはまだ不十分なのだ。

 南米サッカーのナンバー1を決めるコパ・アメリカが、あと1カ月に迫っている(6月14日開幕)。ブラジル人にとって非常に重要な大会だ。2014年のブラジルW杯、2016年のリオ五輪に次ぐ3つ目の大きな国際大会であり、集大成でもある。そして2018年のロシアW杯で失敗したセレソンは、何がなんでも優勝することが義務付けられている。