2019.05.07

攻撃封印の長友佑都に、香川真司は
「圧倒的な存在感。刺激になった」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by KYODO

 一時期に比べ、欧州でサッカー観戦をする日本人ファンを見かけることがめっきり少なくなったが、10連休だった今年のゴールデンウィークは、多くの日本人をスタジアムで見かけた。イスタンブールで行なわれたガラタサライ対ベシクタシュ戦もそうだった。日本の報道陣も欧州各地から詰めかけた。トルコ最大のダービーで日本人対決が期待されたからだ。

ガラタサライ対ベシクタシュ戦後、ユニフォームを交換する長友佑都と香川真司 結果はホームのガラタサライが2-0で完勝した。ガラタサライはこれで勝ち点を63に伸ばし、首位に浮上した。ベシクタシュは勝ち点59で3位のまま。ここまでリーグ戦6連勝と好調だっただけに、優勝争いを考えると痛い黒星となった。

 長友佑都香川真司。個人の対決を見ても、長友に分があった。長友はフル出場し、サイド攻撃を武器とするベシクタシュを封じ切った。

 長友のプレーで特徴的だったのは、持ち前の攻撃的なプレースタイルを自重し、守備を優先していたことだ。落ち着いて安定したプレーで存在感を見せていた。長友と言えば、チャンスと見るや縦に猛烈なダッシュでオーバーラップしてサイドで攻撃に絡み、そのまままたダッシュで守備に戻る、疲れ知らずのサイドバックという印象が強かったが、そんなプレーはすっかり封印していた。

「まずは相手のサイドが強力だった。(イェレマイン・)レンスや、途中出場の(リカルド・)クアレスマ、先発の(アダム・)リャイッチもこっちに流れてきたりして、みんな強力だったので、しっかり守備をするところから入った。前半(終了間際)に1点入って、後半で2-0になってからも、しっかり守備をしようというところで、堅実なプレーを心がけました」

 試合後の長友は、オーバーラップは自重したのかと問われると、「そういうわけではなかったです。僕の中で試合の流れを見てといいますか、今までの経験上、カウンターが一番怖かったので……」と、相手のストロングポイントを封じることを優先したことを明かした。

 香川真司はそんな長友に、すっかり感心した様子だった。

「責任感あるプレーというか、カバリングはさぼらずやっていたし、絶対にミスを犯さずに、自分のサイドはやられていなかった。それが信頼されている証拠だと思うし、あらためて圧倒的な存在感というのを感じました。