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日本も導入のVARとの正しい付き合い方。決めるのは人間で機械ではない (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 つまり、誰が見ても明白な事実である場合はレフェリーがオンフィールドレビューをする必要はなく、レフェリーの主観が必要とされる判定に関しては、リプレー映像を確認してから最終ジャッジが決定されるということだ。

 これを、VARが計4回使われたチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦のユベントス対アヤックス戦(4月16日)に当てはめてみるとわかりやすい。

 まず1度目のVAR判定は、28分のクリスティアーノ・ロナウドの先制ゴールのシーン。ロナウドがヘディングシュートした際、その横でアヤックスのジョエル・フェルトマンがユベントスのレオナルド・ボヌッチに倒されたように見えた。そこで、当初ゴールを認めていた主審のクレマン・トゥルパンは、VAR担当からの進言によりピッチ横に設置されたモニターでリプレーを確認。フェルトマンを倒したのは味方のマタイス・デ・リフトだったことが確認され、最初に下したジャッジのとおり、ゴールが認められている。

 このシーンでは、誰がフェルトマンを倒したのか微妙だったため、誰が見ても白黒はっきりした事実とは言えなかったため、VAR判定になったということだ。

 2つ目は、34分のアヤックスのドニー・ファン・デ・ベークのゴールシーン。ここでも主審はゴールを認めるも、オフサイドか否かに疑いが持たれたことによってVARを使っている。ただし、このシーンではユベントスのフェデリコ・ベルナルデスキが右サイドに残っていたため、主審がリプレーを確認するまでもなくゴールが認められている。オフサイドでないことが明白だったからだ。

 3つ目は、79分にアヤックスのハキム・ツィエクがネットを揺らしたシーンだったが、ツィエクの明らかな戻りオフサイドだったため、ここでもトゥルパン主審はリプレー映像を見ることはなかった。これも、VARオンリーレビューが適用されたシーンだ。

 そして4つ目の90分のシーンは、ユベントスのロドリゴ・ベンタンクールが蹴ったボールが、ペナルティエリア内にいたアヤックスのデイリー・ブリントの手に当たったかどうか(ハンドか否か)がVARの対象となった。

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